「ヘアスタイルの流行ってどうして決まるの？」

「ヘアスタイルの流行ってどうして決まるの？」

今年はコロナという見えない敵と闘う事からのスタートでした。
いろいろな事を考えさせられると共に、新たな発見もございました。

よく平井さん、「髪の流行はどうして決まるのですか？」
とご質問いただきます。謎ですよね。
昔ある大手広告会社の方とお話をさせていただきました時に、流行は創りあげられるもので、ひとつの方向性を決めて進んでいくものだとお聞きしました。
私たちファッション業界では世界のコレクションはかなり重要視します。
コレクションは社会潮流によって決まると言っても過言ではありません。
全ブランドがテーマを打ち出しますので大体の方向性が見えてきます。
コレクションで打ち出されたものは、次に各国のファッション誌に情報が流れていきます。
それぞれの国により打ち出し方は違いがありますが、方向性は決まっています。
多分余り沢山ありますと経済的にも大変になるのではないかと思います。
ファッションが決まりましたら、ヘア、メークと続いていきます。
ただ、どうしてコレクションのテーマが決まるのかとても不思議に思いませんか？
一番気になりましたので質問してみました。
そうしましたら「あ！そうなんだ。」と納得しました。
世界では本当にいろいろな事が起こっています。例えば災害であったり、戦争であったり、想像をはるかに超える事がございます。
ひとつの例として、日本で大きな震災がありました。
東日本大震災です。世界でも大きく取り上げられ、海外からボランティア又支援を沢山いただきました。コレクションもその支援に必ず参加します。
コレクションには、世界のトップクラスのデザイナーが揃います。コレクションを開催する役員又デザイナー達は災害のありました国又地域のものを使用した洋服を創ります。日本には素晴らしい糸も生地もありますので、デザイナー達はその素材を使い考えていくそうです。復興を願い作成していくそうです。その考えをベースに雑誌、化粧品、ヘアケア商品、と繋がってくるのです。
方向性はある程度決まってくるので、私達ヘアデザイナーも全体のバランスをよく考えてデザインを落とし込んでいきます。
毎年いろいろな事が世界では起こります。どの業界もそうですが復興の支援に少しでも携わっているのだと改めて感じました。
今年はマスクをつけての生活が当たり前になっています。メークもヘアスタイルもマスクに合わせての提案が多いです。
今年のテーマは「マッシュウルフ」です。首元でくびれを出して毛先を跳ねさすというスタイルです。何故「マッシュウルフ」かと言いますと、マスクをしますと鼻からあごがしっかりと隠れてしまうので、正面からみると横に長く見えてしまい全体に顔が大きく見えてしまいます。そこで首元上でくびれさせることでシャープに見せ小顔効果が演出されます。コロナ禍の社会を反映しています。ショートにしてもロングでもベースは同じです。是非チャレンジしてみてくだい。

追記
日本を代表するデザイナー、KENZO氏に敬意を払うとともにご冥福をお祈り申し上げます。