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フィリップ・パレーノ展

2024.11.03

フィリップ・パレーノ展

久しぶりにポーラ美術館に行ってまいりました。

パレーノの作品はとても刺激を受けます。

その場所にいるようであり又いないような不思議な空間へと導かれて行きます。

作品のひとつに、「マーキー」という2006年制作以降、今日までさまざまな形や仕様を変えて生み出され続けているシリーズがあります。

「マーキー」とは、かつて劇場や映画館の玄関の上に取り付けられていた庇(ルビ:ひさし)のことだそうです。

本来は上演作品のタイトルなどを表示するものですが、パレーノの作品は空白のまま、幅広い解釈が許容されるとともに、人々の劇場や映画館にまつわる多様な記憶と結びつきます。

それはまた、建築の内と外を隔てる玄関の遺物として、建築そのものの記憶や時間を、その内に秘めています。

近年は、玄関の上に張り出す庇状の形態を離れ、本作品のようにより自由な造形へと展開しています。

多くのコードに繋がれ、パレーノが綿密に調整したプログラムによって有機的で不規則なリズムで点滅する姿は、まるで人格を宿したエイリアンのような生物なような・・・

今現地球で起きている色々な出来事の姿のような気がします。