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ヤノベケンジ「BIG CAT BANG」

2025.04.30

ヤノベケンジ「BIG CAT BANG」

今回久しぶりに銀座シックスに寄ったのですが、4月5日よりヤノベケンジさんの作品が展示されていました。

1970年の大阪万国博覧会の開催地である大阪で育ったヤノベは、幼少期に「廃墟化した万博」を体験した。そしてそこにそびえ立ち続ける<太陽の塔>は、ヤノベのクリエイションの起点となったそうです。

本作<BIG CAT BANG)は、2017年から制作されている、旅をしながら福を運ぶ猫「SHIP’S CAT」シリーズのひとつとなる作品です。

GINZASIX中央の大きな吹き抜け空間を地球を含む銀河ととらえ、無数の宇宙猫が空を舞うという構造だ。また中央に浮かぶ宇宙は、岡本太郎<太陽の塔> へのオマージュとなっています。ヤノベは本作で、ビッグバンから現在までの宇宙のダイナミズムを新しい生命の物語として紡ぎ出しています。

この作品は、2017年から始まった世界中を旅した「船乗り猫」をモチーフにした猫の巨大彫刻「SHIP’S CAT」シリーズのひとつです。猫はネズミを駆除するため船に乗せられ、エジプトから世界へと広まりペットとして世界の人の心を癒すようになりました。また、食糧や船体をかじり、疫病を流行らせるネズミから、船や乗組員を遠ざける守り神のような存在です。

このインスタレーションは、35億年ぐらい前に、「SHIP’S CAT」シリーズの宇宙猫が太陽の塔の形をした宇宙船「LUCA号」に乗って地球に降り、生命の街を植え付けようと宇宙船から爆発するように飛び出す瞬間を表現しています。この背景には、1970年大阪万博の時に建てられた「太陽の塔」のなかにある「生命の街」の裏付けとなった生命科学の知見が更新され、生命が地球上で生まれたのではなく、隕石に乗ってやってきたという説があります。

私も1970年大阪万博に行きましたが、改めて太陽の塔の岡本太郎さんの思いの深さをしみじみ感じる事となりました。